2022年12月3日(土)

From LA

2019年10月12日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

ウーバーとリフトの反応は?

 ただしこの試みに対するウーバーとリフトの反応はやや異なる。リフトが概ね同意し、「LAXと共に空港の混雑解消策に貢献していきたい」という声明を発表したのに対し、ウーバーはLAX-itのキャパシティに疑問を呈している。ウーバーは「現在でもLAXでウーバーを利用する乗客は1時間に500組以上、ピーク時には1000を超えることもある。結局今回の試みは空港内道路の混雑を、単に空港の外側にあるパーキングに移動させるだけの結果になるのではないか」という意見書を提出している。

 しかし、現在でもあまりの空港の混雑ぶりからウーバーやリフトなどのドライバーが乗客の要望に応じない、という事態が起こっており、そうした乗客はホテルシャトルバスや徒歩などで空港の外に出て、道端でライドシェアを利用することが多い。その危険性から、定められたパーキングでのライドシェア利用を推奨したい、というのが空港側の考えだ。筆者も経験したことがあるが、ライドシェアドライバーの中には空港ターミナルに行くことを拒絶する者もいる。安い料金で、距離ベースのライドシェアの場合、ターミナルに入り込んで時間を食うことは損でしかないためだ。

 始まってみないとこの制度が機能するのかどうかの判断はできないが、米国では早くもこのLAXの動きに追随しようという他の空港があるという。タクシー業界からは空港内への乗り入れはタクシーのみでライドシェアは禁止してほしい、という要望は以前からある。LAX同様に大都市で乗客数の多い空港では、空港内の混雑解消は大なり小なり問題なのだ。

 LAXは全米で最も不便な空港の汚名を返上し、顧客満足度を高めることができるのか。11月の感謝祭とそれに続くホリデーシーズンのピーク時を前にした大胆な決断の真価が問われるのはこれからだ。

  
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