2022年12月3日(土)

中国 覇権への躓き

2019年11月1日

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加茂具樹 (かも・ともき)

慶應義塾大学総合政策学部長・教授

専門は現代中国政治外交。1995年慶應義塾大学総合政策学部卒業。2015年4月から同校総合政策学部教授に。16年10月から18年10月まで、在香港日本国総領事館領事。主著に『十年後の中国』(一藝社)、『現代中国の政治制度』(慶應義塾大学出版会、共編著)。
 

 現在の共産党指導部の国内外の情勢認識は厳しい。習近平は今年1月に中央と地方の主要指導者を召集した大規模の会議において「リスクに備える必要性」を訴えた(詳細は本連載8月号)。そして9月には中青年幹部の研修会において、社会の発展過程で避けることのできないリスクとチャレンジに向き合うためには、「闘争精神」の発揚が必要だとも語っていた。こうした発言は、リスクに直面した共産党指導部が表した危機意識を示したものであると同時に、「強国」となった自国に対する自信の表れと理解すべきだろう。

 共産党指導部は、香港において激化している政府に対する抗議活動の要因を、どうやら見誤っている。香港社会の要求は自由と民主を追求しているが、共産党指導部は深刻な経済格差に対する不満や外国勢力によるが原因と理解しているようだ。こうした誤認こそ、この過剰な「自信」によって生まれたものといってよい。

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Part 2   米中二極型システムの危険性 日本は教育投資で人的資本の強化を
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Part 3   危機を繰り返すEUがしぶとく生き続ける理由  遠藤 乾
Part 4   海洋での権益を拡大させる中国 米軍の接近を阻む「太平洋進出」 飯田将史
Part 5   勢力圏の拡大を目論むロシア 「二重基準」を使い分ける対外戦略 小泉 悠
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