Washington Files

2019年11月11日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

民主党はツイッターを支持

 これに対し、民主党側はツイッター社の決定に対しこぞって支持を表明している。

 来年大統領選の有力候補の一人、ジョー・バイデン元副大統領スポークスマンのビル・ルッソ氏は「広告収入拡大と民主主義護持のどちらかの選択に直面した際に、前者が後塵を拝する結果になったことは大いに喜ばしいこと」との歓迎コメントを出した。同候補陣営は、トランプ再選委員会がウクライナ疑惑に関連して根拠もなく同氏を非難・中傷する広告を流してきたとして、かねてからツイッター側に広告掲載中止を呼びかけてきた。

 同じ大統領候補のアンドリュー・ヤング氏も「公益が収益を凌駕したまれなるケースであり、ツイッター側を祝福したい。フェイスブックも後に続くことを望む」と述べた。

 トランプ大統領は当選以来これまで、既成メディア批判を続ける一方、全米支持者との直接対話のために、もっぱら自らのツイッター発信に頼って来た。

 ツイッター分析調査組織「TweetBinder.com」の追跡調査によると、当選後今年10月までの間に大統領が直接書き込んだツイートは全部で7225回、1日平均10回の回数に上るという。この数字には、閲覧者からの「いいね!」などの反応を受けた大統領のリツイートretweet回数は含まれない。

 今のところ、ツイッター社の新たな措置が実施されたとしても有料政治広告に限定されるため、今後、再選に向けたトランプ大統領自身の猛烈な“ツイート作戦”には直接影響は及ばない。

 しかし、大統領選がこれから来年に向けて本格化するにつれて、ネットによる政治広告を特に重視してきた共和党再選委員会としては、今後は主としてフェイスブックでの露骨な政治広告作戦を展開することは必至の情勢だ。

 その場合、同社のザッカーバーグ氏に対する議会民主党や世間の批判も一層高まることも予想され、果たして同氏が従来通りの方針をどこまで貫き通すことができるかに今後の焦点が移ることになる。

  
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