全米にコロナウイルス感染が拡大し始めて以来、連日定例ブリーフィングでTV画面に登場するトランプ大統領-しかし支持率は、“戦時下”にもかかわらず意外に伸び悩み、焦りを募らせている。
トランプ氏に対する支持率は大統領が去る3月14日、「コロナウイルス非常事態」を宣言以来、一時は49%(ABC-ワシントンポスト調査)と、就任以来、同大統領としては最高を記録した。その後もしばらく、通常の「40%台前半」より数%上向き傾向を示し、大統領自身も記者会見などで「(支持率の))数字を見なさい。自分は(コロナウイルス危機対応で)立派な仕事をしている」などと大見えを切ってみせていた。
ところが、その後4月上旬の各種世論調査によると、再び支持率は以前並みに戻り、自ら得意とするパフォーマンスぶりがあまり評価されていないことが明らかになった。最新のさまざまな世論調査結果は以下の通りだ:
・Rasmussen Reports(4/6ー4/8実施) 「支持」46%、「不支持」52%
・YouGov(4/6ー4/8) 「支持」42%、「不支持」51%
・CNN(4/6ー4/8) 「支持」41%「不支持」55%
・Global Strategy(4/3ー4/8) 「支持」45% 「不支持」52%
・Ipsos(4/6ー4/7) 「支持」40%「不支持」55%
また、11月大統領選でトランプ大統領、バイデン民主党大統領候補のどちらを支持するかについて有権者に尋ねた最新の各種調査では、以下の通り、バイデン氏がトランプ氏をを引き離していることも明らかになった:
・Monmouth 「バイデン」48%、「トランプ」44%
・CNN 「バイデン」 53%、「トランプ」42%
・Quinnipiac 「バイデン」49%、「トランプ」41%
・CNBC 「バイデン」44%、「トランプ」39%
上記のような調査結果は、国民そして有権者の大半がこれまでのところ、コロナウイルス危機以来のトランプ大統領の対応ぶりにかなり不満を抱いていることをはっきり示している。
これはある意味で、前例のないきわめて特異な事態だ。アメリカでは過去、国家が戦争や深刻な危機に直面した際に、国民が星条旗の下に結束する「rally around the flag」と呼ばれる「戦時効果」で大統領支持率が顕著に上昇するのが通例だったからだ。