海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年4月17日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

 今回のテーマは、「政権発足100日、バイデンの支持率が安定している本当の理由」です。バイデン米政権は4月下旬で発足してから100日を迎えます。

 米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティックス」による各種世論調査のバイデン大統領の平均支持率(21年4月8~13日)は54%で、不支持率の41%を13ポイントもリードしています。バイデン氏は1月20日の就任以来、50%台の支持率を維持しています。

 では、その背景には何があるのでしょうか。本稿ではバイデン支持率安定の諸要因を整理します。

(ronniechua/gettyimages)

支持される増税

 一般に日本人にはバイデン大統領といえば、おそらく「増税をする大統領」というイメージが強いでしょう。しかし、バイデン氏は年収が40万ドル(約4400万円)以下の米国民には増税をしないと公約をしています。増税対象になるのは、40万ドル以上の高額所得者のみで、この政策は米国民から支持を得ています。

 世論調査で定評のある米クイニピアック大学(東部コネチカット州)の調査(2021年4月8~12日実施)によれば、年収40万ドル以上の富裕層に対する増税に関して、64%が「支持する」、31%が「支持しない」と回答しました。30ポイント以上も増税を「支持する」が上回っています。党派別にみると、91%の民主党支持者が「支持する」と答え、共和党支持者においても40%が賛成に回っています。

 さらに、バイデン大統領は法人税率を21%から28%に引き上げると発表しました。この政策も米国民から支持されています。同調査では62%が支持、31%が不支持と回答しました。こちらも党派別にみますと、92%の民主党支持者、55%の無党派層、34%の共和党支持者がバイデン氏の法人税増税案を支持しています。

 ジェンダー及び人種別では、法人税増税案に関する支持率が白人女性とヒスパニック系(中南米系)で67%、黒人で74%に上りました。女性と黒人、ヒスパニック系はバイデン氏の支持基盤なので、税制改革案は支持者固めに直結しているといえそうです。

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