社会生活の営みに付きまとう多様なリスク。そこに存在する生命・財産の損害に備える損害保険会社の多くの社員は、個人顧客との接点をもつ。それだけに社会人としての常識と保険知識、質の高い接客対応などが求められるが、それは一朝一夕にはできない。全社員は絶えず学ぶ取り組みを行い、自ら考える社員へと育つことが必須条件。学ぶ場を提供するのが育成担当の役割という。徹底した人材教育で育つ社員は、必ず企業の信用獲得につながるとの考えがある。
【会社データ】 *2012年3月末現在
設 立 :1918年6月
資本金 :1,000億円
総資産 :3兆1,411億円
代表者 :取締役社長 鈴木久仁 氏
所在地 :東京都渋谷区恵比寿1-28-1
国内拠点:営業部・支店=約130カ所、営業所等=約490カ所
社員数 :12,980人
事業内容:損害保険事業
URL :http://www.aioinissaydowa.co.jp/
新入社員は1カ月半の合宿研修で学ぶ
あいおいニッセイ同和損保が目指す社員像とは「自ら学び自ら考え、チャレンジし、成長し続ける社員」である。人材育成は、この方針に沿って実施されている。つまり、一方的に教えるだけではなく、社員自らが学んでもらうことを重視した研修体制が講じられている。言い換えると社員は、部署に関係なく毎年、学び、考え、行動を起こすことが必須とされている。
人材育成にあたっては「研修と自己研さんとOJT」の3つの要素を中心としている。ただし研修だけでは不十分であり、自己研さんだけでも、OJTだけでも人は育たないという。「1つだけではダメ、1つ欠けてもダメ。3つを組み合わせることで、効果があると考えています。社員でいる以上は、日々、学んでもらうのが当社の人材育成方針。そのための場を提供するのが私たちの役割です」と人事部人財革新グループの一柳若菜グループ長は説明する。
人材育成体系カリキュラムは、研修には階層別、アセスメント、エントリー研修があり、自己研さんはeラーニングによる全社員マスタープログラム、公的資格、必須通信研修など。OJTは年3回の面談やFT(ファミリートレーニング)体制などと充実している。