2022年12月4日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2021年12月16日

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 「バイデンの」インフラ法案に賛同したことも裏切りと見なされ、トランプ派議員やバノンが、賛同した共和党下院議員13人と上院議員19人の事務所の電話番号を公表し、議員たちは罵詈雑言や殺しの脅迫にさらされている。保守派に強い影響力を持つコメンテーターのタッカー・カールソンは議事堂乱入を称賛する動画を制作しFox Newsがオンラインで流した。こうした行き過ぎから、無党派層や共和党内の穏健派や伝統的保守派の党離れも起きている。

候補者選びにも表れる〝トランプ問題〟

 トランプの言動は相変わらず両党の運命を左右する。トランプが再び大統領候補となるのを望む共和党支持者は調査によっては77%、支持率は80%台である。大統領選に出馬すれば、民主党候補は再び反トランプ候補として票を集めることが期待される。しかし、議会選挙では「トランプ」と叫びすぎるとオオカミ少年となってしまうのはバージニア州知事選が証明している。

 共和党が抱えるトランプ問題は、議会選候補者選びにも顕著である。トランプ信奉者の支持を得なければ予備選で勝てないが、トランプ派だと民主党が強い、あるいは両党が拮抗している州や地区で勝つのは難しい。さらにトランプの支持を得ている候補者はトランプへの支持が基準であるため、中には家庭内暴力などの問題を抱える人物もいる。

 ガネッシュは、いずれインフラ法のありがたさを国民が実感するようになる、またインフレがおさまる可能性があるという。新型コロナ感染者数も減るかもしれない。確かに道路や橋の改修などは長年計画が立てられていて予算さえつけば実行できるものもある。しかし、有権者が中間選挙での投票を決めるまでにタイムリーにバイデン政策の成果や改善状況を実感できるだろうか。両党ともに問題を抱えているが、現状は、バイデンと民主党にとっての道のりのほうが厳しそうである。

  
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