2022年10月6日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2021年12月23日

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 フランス共和党の大統領候補が予想に反してサルコジ内閣の閣僚を務めたペクレス(女性)となったことにより、極右ポピュリストとの決選投票で勝利を得るとのマクロン勝利のシナリオが変わる可能性があると、英フィナンシャル・タイムズ紙のパリ特派員のホワイトとマレが12月6日付の同紙で解説している。

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 この 12月6日付の記事の後も事態は動いており、ペクレスへの支持が急上昇しているようである。11月末の世論調査の支持率では、マクロン24%、ルペン19%、ゼムール13%、共和党候補(未定)11%といったところが、共和党予備選直後の12月7日の数字では、既にペクレスが20%に達し、決選投票では、52対48でマクロンに勝つとの見通しも出ている。

 その分、支持率を下げたのがルペンであり、共和党が右派票をルペンから取り戻す動きが既に見られる。選挙は来年4月であり、それまでに何が起こるか判らないが、極右ポピュリスト票がルペンとゼムールに分散する結果、決選投票がマクロンとペクレスの間で戦われる可能性が高まったことは確かである。

 今回のペクレスの大統領候補の選出のプロセスは、分裂傾向にあった共和党を見事に結束させた。今年の6月時点では、共和党系の有力候補であったベルトランもペクレスも離党し独自の政治活動を行っていた。当時は、世論調査ではベルトランがマクロン、ルペンに次いで第3位につけていたが、候補の乱立により、共和党系候補が決選投票に残るのは難しいと見られていた。

 ペクレスは、周到に準備していたようで、7月には共和党への復帰を表明し、復帰が遅れたベルトランは党員の反発もあり一次投票では4位に甘んじ、同様に有力と見られていたバルニエが3位、ペクレスが2位となった。1位は、共和党の中では最も右翼のシオティ下院議員であり、ゼム―ルとも気脈を通ずるシオティが首位となったことも共和党の右傾化を示す驚きであったが、バルニエ等落選候補者がすべてペクレスを支持した結果、決選投票でペクレスが逆転勝利した。

 ペクレスも移民・イスラム問題については、厳格な対応を主張しており、シオティも予備選後はペクレスへの協力表明しており、ペクレスの共和党内における立場は極めて強固なものとなっている。

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