2022年9月28日(水)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年1月27日

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藤城 眞 (ふじしろ・まこと)

SOMPOホールディングス顧問

東京大学教養学部(国際関係論)卒業。大蔵省入省。フランス国立行政学院、アフリカ開発銀行理事、主計局主計官、主税局税制第三課長、内閣官房行革事務局次長、理財局・関税局審議官、東京税関長、東京国税局長などを経て現職。
 

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財政運営を短期ではなく長期的な目線で考え、政策を実行する必要がある (THE MAINICHI NEWSPAPERS/AFLO)

 わが国は低金利と赤字財政のマクロ政策を続けている。しかし、2%のインフレはなかなか実現せず、これを奇貨として赤字財政が肯定されている感もある。各種の無償化をはじめ政府のテリトリーは拡大しているが、税負担については、マスコミも政治も語ることは少ない。「空気を読まない」発言扱いが関の山だろう。

 当面こうした状況が続くとしても、インフレ目標などの達成が究極の目的ということではあるまい。

 私たちはどこに向かっているのか。この先に私たちが望んでいる社会は広がっているのか。そもそも私たち日本人はどのような社会を求めているのだろうか。

 デンマークの社会学者エスピン・アンデルセンによれば、社会の形は、アメリカなどの「自由主義」、北欧などの「社会民主主義(以下「社民主義」)」、そして日本などの「保守主義」の3つのタイプに分類できる(下表)。

 「自由主義」(低負担低福祉)は、「頑張れば上に行ける」という階層間の移動可能性を前提とし、機会の平等と自助をベースに自由競争に任せるシステムである。格差は各人の努力の結果とされ、ボランティアや寄付などが奨励される一方、政府の介入や税負担は小さい。

 「社民主義」(高負担高福祉)は、社会保障が医療や年金などの保険分野に留まらず、失業、離婚、育児、学び直しなどへの自立支援や積極的労働政策にまで及ぶものだ。生活に安心感があるが、税負担は高く(スウェーデンの消費税率25%)、政府の信頼と透明性も不可欠だ。

 「保守主義」(中負担中福祉)は、いわばその中間にある古典的モデルだ。家族や地域の助け合いが、自助と公助を補完する。ただし制度的な担保はなく、各人の自発性次第という不確実性が拭えない。

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