2024年7月14日(日)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2022年2月17日

 現状の仕組みでは明日のことすら分かりません。このために見つければ幼魚でも容赦なく獲ってしまいます。買い手の水産加工業者も工場稼働を上げるために買い取ります。こうなってしまうのは、ノルウェーと異なり、獲り切れない漁獲枠が設定されていたり、マダラやニシンのように、そもそも枠自体が無い場合も多く過剰漁獲が起きやすい状態になっていることが原因です。

ノルウェーと日本の漁業を比較してみた

 日本とノルウェーを比較してみましょう。日本の37.8万平方メートル(㎡)に対して、ノルウェーの国土面積は38.5万㎡とほぼ変わりません。ところが、日本の排他的経済水域(EEZ)は448万㎡と、ノルウェーの239万㎡のほぼ2倍。日本の方が広大な海を保有しています。また漁獲・生産量は、日本の4.2百万トンに対して、ノルウェーが3.9百万トンとほぼ同量ですが、下のグラフの通りで、その差は縮まってきています。

(資料:GLOBAL NOTEを編集 出典:FAO ) 写真を拡大

 

 左下のグラフはサバ・ニシンなどの青物類、右はマダラなどの底魚類の水揚げ金額推移を示しています。

(出所)「FISKERIDIREKTORATET」 写真を拡大

 ともに、右肩上がりで水揚げ金額が上昇して行く傾向が分かります。1990年前後と現在を比較すると、青物類で約4倍、底魚類で約2倍も水揚げ金額が大きく増加しているのがわかります。

 水揚げ数量が3分の1となっている影響もありますが、非常に対照的に日本の水揚げ金額(水色の部分で養殖除く)は、増加どころか半分となってしまっています。

 なぜ、ノルウェーと日本ではこれほど違うのか? その理由は資源量とその持続性、そして水産資源管理制度の違いにあります。

 ノルウェーと日本では同じような魚種も漁獲されています。サバアジシシャモ(カラフトシシャモ)ニシンマダライカナゴズワイガニ、クロマグロなどです。サバなど日本にも多く輸出されている魚種もあります。

 これらの魚種は、例外的に漁獲枠が大きすぎると言えるアジを除き、国ごとの枠の配分を整理する必要が残っている魚種もありますが、概して資源管理ができています。それぞれの魚種を日本の同魚種との比較をすることで問題点と解決策もはっきりしますので、今後の連載で具体的な解説をしていきます。

 
 『Wedge』2022年3月号で「魚も漁師も消えゆく日本 復活の方法はこれしかない」を特集しております。
 四方を海に囲まれ、好漁場にも恵まれた日本。かつては、世界に冠たる水産大国だった。しかし日本の食卓を彩った魚は不漁が相次いでいる。魚の資源量が減少し続けているからだ。2020年12月、70年ぶりに漁業法が改正され、日本の漁業は「持続可能」を目指すべく舵を切ったかに見える。だが、日本の海が抱える問題は多い。突破口はあるのか。
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