2022年10月2日(日)

教養としての中東情勢

2022年3月14日

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 ロシアはウクライナ侵略でシリア人傭兵部隊を投入するなど、戦争は一段と複雑な様相を見せ始めた。この裏では、プーチン・ロシア大統領の私兵軍団とも呼ばれる民間警備会社「ワグネル」の暗躍が取り沙汰されているが、外国人傭兵の参戦は「ロシア軍の損害が予想以上に甚大である証拠」との見方が強い。

ウクライナ側とロシア側ともに義勇兵を派遣する形になっている(AP/アフロ)

報酬3000ドルで募集

 米紙ワシントン・ポストなどによると、プーチン氏は3月11日のショイグ国防相とのオンライン会談で、義勇兵をウクライナに送り込むことを承認した。同氏は「手弁当でウクライナ東部ドンバス地方の(ロシア系)住民を助けたいという人々がいる。彼らを戦闘地域に移動させなければならない」と述べる一方で、ウクライナが国際法を侵犯し、公然と外国人傭兵を募っていると非難した。

 国防相によると、世界中から多くの義勇兵が「ウクライナ自由運動」に合流したいとして、ロシア当局に申請書を提出しており、その人数はこれまでに1万6000人以上に達しているという。ほとんどが中東からの人々だ。一方でプーチン氏が非難するウクライナ側の義勇兵は52カ国から約2万人。米国防総省は彼らを「国際軍団」と呼んでいる。

 そもそもシリア人義勇兵とは何者なのか。中東専門誌などによると、SNSを中心に「ウクライナでの戦闘任務に熟練の戦闘員を募集」という徴募の広告が出回っており、報酬は約3000ドル。この報酬が一時金なのか、1カ月の給料なのかは不明だが、戦闘員個人の戦闘経験と専門性、熟練度によって異なるという。

 広告の一部はシリア軍の最強、最大の「第4機甲師団」の兵士に向けられたものとされ、義勇兵の構成はシリア正規軍の兵士や親アサド・シリア政権の民兵が中心と見られている。応募を希望する戦闘員は氏名や携帯番号などの連絡先、専門とする戦闘任務を記すようになっている。

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