2022年6月27日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年5月26日

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 ロシアの欧州へのエネルギー輸出はロシアの軍を資金的に支えているが、ロシアへのエネルギー依存度の高い欧州は、当初エネルギー分野を除外していた。しかし、欧州連合(EU)は予想外に強い決意でロシア依存の解消に動き出しているように見える。

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 EUは3月11日の首脳会議で「ロシアのガス、石油、石炭の輸入に対する依存をなるべく早期にフェーズアウトすることに同意した」が、石炭については既に主要7カ国(G7)とともに輸入禁止を発動している。5月4日、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は欧州議会で演説して石油の輸入禁止を提案した。具体的には、タンカーによるもの、パイプラインによるものを含め、原油については6カ月以内に、石油製品については年末までにフェーズアウトするということである。

 ロシアの原油輸出の50%が欧州向け(これが欧州の需要の35%を賄う)であるから、インパクトは大きいであろう。既に、ロシア原油の輸出は政治的リスクを怖れる石油業者、海運業者、保険業界による自主規制によって減退している。ロシア原油を積んだタンカーが行き場を失い海上で立ち往生する事態も指摘されている。

 ドイツが輸入禁止に同調することに踏み切ったことが大きい。他方、予想されたことであるが、ハンガリーが反対している。その他、スロバキア、チェコも抵抗している。

 これら三国は海港がなく、原油をロシアからパイプラインで輸入している。ハンガリーの昨年のロシア依存度は58%(スロバキアは96%)であるが、非ロシア産への転換が困難である上に、ロシア原油に適合するように出来ている製油所、貯蔵施設、その他インフラの変更を要するので時間も資金もかかる。

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