失敗も許容する土壌
成果だけではなく、その「プロセス」を評価する仕組みも導入した。
「結果だけ見てしまうと、売り上げの大きさなどに目がいきがちになってしまう。実際、プロセスの中で実行に移されないアイデアなどもある。そういったものでも、見方を変えれば評価できるものもある。1つの結果ではなく、多角的に見ていかないと社員のモチベーションも高まらない。例えば、何かを研究していて、なかなかうまくいかないことは往々にしてあるものだ。それでも、全てを止めてしまうのではなく、最低1人でもその研究は続けていくといったことも大切だろう。このような形は現在でも行っている」
失敗を認める土壌。やって失敗したほうが、何もしないよりも実りがあるということか。
「もちろん、全て完璧にできているということではない。ただ、なるべく失敗を許容する土壌をつくっていくことで、次につながるような形にしていきたいと思っている。社員には多少失敗してもいいから、チャレンジしてほしいということは常々伝えている」
あらゆる顧客のニーズや時代の変化をくみ取り、何でもビジネスにつなげていくというDNP流の〝貪欲さ〟は多くの企業が学ぶべきことだろう。
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日本企業の様子がおかしい。バブル崩壊以降、失敗しないことが〝経営の最優先課題〟になりつつあるかのようだ。しかし、そうこうしているうちに、かつては、追いつけ追い越せまで迫った米国の姿は遠のき、アジアをはじめとした新興国にも追い抜かれようとしている。今こそ、現状維持は最大の経営リスクと肝に銘じてチャレンジし、常識という殻を破る時だ。
特集はWedge Online Premiumでもご購入することができます。
日本企業の様子がおかしい。バブル崩壊以降、失敗しないことが〝経営の最優先課題〟になりつつあるかのようだ。しかし、そうこうしているうちに、かつては、追いつけ追い越せまで迫った米国の姿は遠のき、アジアをはじめとした新興国にも追い抜かれようとしている。今こそ、現状維持は最大の経営リスクと肝に銘じてチャレンジし、常識という殻を破る時だ。
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