2024年12月23日(月)

経済の常識 VS 政策の非常識

2022年6月19日

 21世紀はインドの時代だと言われれているが、その経済成果を中国と比べると見劣りがする。

(Nuthawut Somsuk/gettyimages)

 図1は1人当たり購買力平価国内総生産(GDP)(2017年ドル価格)でインドと周辺国、インドネシア、中国と比べたものである。国際通貨基金(IMF)でデータがあるのは、1980年からだが、改革開放路線を鄧小平が採用したのが78年のことである。

 80年には中国はこれらの国の中で一番貧しかったが、あっという間に発展した。80年、中国はインドより、アジア最貧国と言われたバングラデシュより貧しかった。80年代初期まで、中国もインドもどちらも社会主義国で、計画経済で、貿易が自由化されておらず、海外投資も流入せず、インフラ投資は遅れていた。

 ところが80年代に中国は一挙に進んだのに対し、インドは90年代になっても遅れ気味だった。中国は、パキスタンもインドネシアもスリランカもよりも遥かに進んだ。

中国が見せた驚異的な成長率

 中国の1980年から2022年までの10年ごとの成長率を見ると極めて高い成長を示している。インドも1人当たりで42年間に年平均4.4%で成長したのに、中国は8.1%と驚異的に成長したということである。

 これはインドが劣っていたというよりも、中国が恐るべき成長率を示したということである。スリランカは3.8%、インドネシアは3.5%、バングラデシュは3.3%、パキスタンは2.1%である。注目すべき国を挙げるとすれば、バングラデシュである。成長率が少しずつ高まり、2010~22年は中国に次いで高い成長となっている。


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