2022年11月28日(月)

教養としての中東情勢

2022年10月18日

»著者プロフィール

 石油輸出国機構(OPEC)プラスが大幅減産を決定したことをめぐり、中間選挙を控えたバイデン米政権とOPECの盟主で親米のサウジアラビアが激しく対立、関係が悪化している。バイデン大統領はガソリン価格の高騰を鎮静化させるため、7月にサウジを訪問して増産を要請していたが、メンツが丸つぶれの格好。ウクライナ戦争にも絡む両国の確執の背景を探った。

OPECプラス閣僚級会合で、200万バレルの減産が合意され、バイデン大統領の怒りを買っている(AP/アフロ)

「ロシアとサウジのせい」

 発端はOPECにロシアなどの産油国を加えたOPECプラスが10月5日、11月からの日量200万バレルという大幅減産を決めたことだ。減産幅は世界需要の2%にも相当する。米国では高騰していたガソリン価格が下落し、これに合わせるかのようにバイデン大統領の支持率が上がっていただけに、ホワイトハウスや議会民主党が激怒した。

 OPECプラスの減産決定でガソリン価格や生活必需品が再び上がり、盛り返していた民主党の勢いがしぼみ、中間選挙に悪影響を及ぼすことが必至だからだ。バイデン大統領は「ガソリン価格が上がっているのはロシアとサウジアラビアのせいだ」と両国をやり玉に挙げた。ロシアはともかく、サウジを名指し非難するのは極めて異例だ。

 米国はサウジを牛耳るムハンマド皇太子が反体制ジャーナリスト、カショギ氏殺害を承認したと非難、大統領も「(皇太子を)世界の除け者にしてやる」とまで言い切っていた。しかし、ウクライナ戦争による原油高抑制のため、背に腹は代えられないとしてサウジを訪問、皇太子と〝グータッチ〟までして増産を要請した経緯がある。サウジはOPECやOPECプラスの方針に決定力がある。

新着記事

»もっと見る