2024年2月29日(木)

韓国の「読み方」

2023年4月14日

 ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始してちょうど1年目の2月24日に、各国政府が声明や新たな対ウクライナ支援策を発表した。各国の声明は国際法違反を犯し続けるロシアを糾弾する語句が随所に見受けられるのに対して、「ロシア」という単語が抜けた声明を発表した国が韓国である。

(ロイター/アフロ)
<ウクライナ戦争勃発1年に関する外交部報道官声明(筆者仮訳) >
1. 韓国政府はウクライナ戦争1年を迎え、ウクライナの主権、領土保全と独立は尊重されなければならないという一貫した立場を再確認する。
2. 韓国政府は国際社会の責任ある一員としてウクライナ戦争の終息と平和回復に寄与するための国際社会の多様な外交的、経済的努力を支持し、これにさらに積極的に参加していく。
3. 韓国政府は戦争で苦しむウクライナ国民のために今後1億3000万ドル規模の追加支援を公約し、これを通じて地雷除去を含む人道的支援、ウクライナ財政支援、電力網復旧などインフラ構築支援および無償開発協力事業を通じた再建支援などを中心に可能な支援を持続していく計画だ。

 戦争初期に、自由主義諸国が自国の議会でウクライナのゼレンスキー大統領によるオンライン演説が行われ多くの議員が耳を傾けたことに比べ、韓国国会での演説では空席が目立ち、韓国政界での関心が低かったとされた報道は記憶に新しい。また、対ロシア制裁についても、当時の文在寅政権は当初独自制裁を課さない意思を示したものの、西側諸国に同調せざるを得なくなり遅まきながら制裁策を発表した経緯がある。

 ウクライナを巡る問題について韓国で直接話を聞くと、日本で報道を見るだけでは得られない温度感の違いがわかる。有識者やメディア関係者は一様に、「そもそも韓国社会は他国に比べてウクライナ問題にそれほど関心がない」と話す。

 ウクライナ戦争が起きた2月24日は韓国大統領選(3月9日)の終盤戦と重なり、内政に関心が集中したことに加えて、ウクライナ戦争開始後の物価高や経済状況の悪化によって、多くの国民の関心は自らの生活に集中しているというのだ。北朝鮮の度重なる軍事挑発にも目を配る必要があり、どうしても優先順位は下がるという。

世界から兵器工場として期待される韓国

 こうしたロシアに対する微妙な表向きの態度に加えて、韓国政府は紛争当事国への殺傷兵器の供与を明確に否定している。しかしながら、現実には韓国による他国を経由した対ウクライナ軍事支援が昨年から実施あるいは実施されている模様だ。

 昨年5月29日にはポーランドが「AHSクラブ」自走榴弾砲(キャタピラなどの機動部分が韓国製K-9の部品を使用)のウクライナへの供与を決定し、実際にウクライナで戦闘に参加している。昨年9月には韓国がチェコを経由して29億ドル相当の地対空ミサイルなどの攻撃兵器をウクライナへ提供したと報道されたが、韓国政府はその事実を否定したとされる


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