タイペイタイムズが、6月21日付社説で、「台湾の夢」は、台湾の自主独立であり、何びとも夢を追求する権利を否定は出来ないが、一つの中国の原則は、その夢を否定するものである、と主張しています。
すなわち、民進党の蘇貞昌主席は、最近のスピーチで「台湾の夢」を取り上げた。蘇にとって、台湾の夢は、4つの要素から成り立っている。すなわち、主権、人権、安全保障、経済である。
その定義には疑問の余地はあるかもしれないが、過去400年間、ほとんどの台湾人が求めてきたことが、台湾の繁栄を自らの手で作ることができるよう、独立し、外国の支配を受けない、ということであったのは間違いない。
この控え目な望みは、かなえられなかった。最初の失われた機会は、第二次大戦が終わって、国民党の政府と軍隊に占領された時である。二番目は、国連総会決議2758号が、中共を中国全体の唯一の代表と認めた1971年10月である。蒋介石は、米国による「二重代表」の提案を蹴った。
1949年に国民党が国共内戦に敗れて初めて、中華民国というシステムが台湾に入ってきた。それは、台湾を、最終的な統一に備えるための、中国の一部と認識する「一つの中国」のイデオロギーを含んでいた。それ以来、中華民国のシステムと「一つの中国」の原則は、台湾人の手を縛る二つの鎖となって、台湾人が自らの夢を追求することを妨げてきた。
呉伯雄 前国民党主席は、最近の習近平との会談で、馬英九が繰り返す、両岸関係は国と国との関係ではない、というのと軌を一にして、「一つの中国」の枠組みを再確認した。これらは、統一、あるいは、ある程度の政治的統合が唯一の進むべき道である、ということを示唆している。
こうした声明の重大性は、「台湾の夢」の観点から見てみれば明白である。