児童文学者の椋鳩十は、少年のころ下校途中に大きな樹木の根元にたたずみ緑陰でツルゲーネフの作品に読みふけったそうです。
緑陰での読書。なんだかいい感じ。
でも、今年の夏は猛暑なので緑陰で読書とはいかないかもね。
しかし子どもにとっての夏休みは、野山や海川などでの自然体験とともに、読書に打ち込むにはうってつけ。
しかし問題は、子どものまわりに本がいっぱいあったり、本の面白さや魅力を伝えてくれる大人の環境があるかどうかでしょうね。
そんなこともあり、秋津のお父さんたちは、余裕教室を丸ごと図書館に改造しました。
そして、お父さんたちは習志野市長(当時、以下同)に要望し、読書指導員を市独自で採用してもらい、小中学校に派遣してもらうことを実現しました。
今回は、そんないきさつと「行政との上手な関わり方」を話しましょう。
当時は画期的!
市予算で読書指導員を採用
「岸さん、先日の市長への要望から読書指導員を採用することに決まりましたよ」
完成した「ごろごろとしょしつ」でおもいおもいに読書を楽しむ秋津小学校の子どもたち
習志野市教育委員会の生涯学習部長から、こんな話を聞いたのは1995年5月のころでした。
「やったね!」と、私は思わず叫んでしまいました。
この「読書指導員」とは、小中学校に出向いて子どもたちの読書指導や学校図書館の図書整理をおこなったりする専門職員のことです。その職員を教育委員会が予算を計上し雇用することは、当時としては画期的なことでした。その端緒を、秋津小学校のお父さんたちがつけたのです。えへん!