2024年5月25日(土)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2023年7月28日

 夏休みシーズンとなり、外国人観光客が増加している。日本政府観光局(JNTO)の統計によると、今年上半期の訪日外国人客数は約1071万人で、コロナ前(2019年上半期)と比較して約6割にまで回復した。だが、国・地域別で見てみると、明らかに異変が起きている。

(Jiyi/gettyimages)

 コロナ前、大挙して押し寄せていた中国人が減少しているのだ。6月の統計でも最多の韓国人(約54万人)と比べると半数以下(約20万8500人)に留まっている。

 要因として挙げられるのは、まず航空路線がコロナ前ほど回復していないことだ。一部路線(上海―関空間や地方路線)は増便されたものの、航空券代はコロナ前よりも高く設定されている。

 ほかに訪日ビザの取得が難しいことも大きい。個人旅行ビザの取得は所得が多い富裕層に限られ、団体旅行ビザは政府によって制限されている。コロナ前もビザ取得者の7割が個人旅行客だったが、経済悪化なども重なり、中国人観光客は全体的に戻っていないのが現状だ。

 だが、中国に住む人々に話を聞いてみると、とくに若者層を中心に、かつての「爆買い」ブームのときのような観光客増加は今後も見込めないのではないか、という悲観的な声が目立つ。その理由は何なのか。

海外旅行どころではない中国の若者

 コロナ前、19年の訪日中国人観光客数は約959万人と過去最高だった。とくに多かったのが比較的若い年齢層だ。

 観光庁「訪日外国人消費動向調査」(19年)によると、年齢別の内訳は男女ともに30~39歳が最も多く、約20%。次に多いのが同20~29歳で約15.8%だった。つまり、全体の3~4分の1が比較的若い年代の中国人だったことがわかる。

 しかし、今年の上半期のデータを見てわかる通り、中国人観光客は戻ってきていない。つまり、若者も戻ってきていないということだ。航空路線やビザ取得の問題以外にも何か要因があるのではないかと筆者は考え、現地の知人に話を聞いてみた。すると、ある大学に勤務する知人はこんな話をしてくれた。


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