フィナンシャル。タイムズ紙国際政治コメンテーターのJanan Ganeshが、9月26日付け同紙に「第2期トランプ政権から世界は何を期待すべきか。ウクライナを見捨てること、条約の焼却、しかし多分中国についてのサプライズ」との論説を寄せている(‘What the world should expect from a second Trump term’)。その論旨は、次の通り。
トランプのもとで、米国は対露制裁の規模を減少させるだろう。またウクライナへの物資の流れも遅くなるだろう。
これらは「米国第一主義」を根拠に正当化されるだろうが、効果は反対である。第1次湾岸戦争以来、米国の世界的な影響力にとりウクライナへの支援以上に役立ったものはない。
トランプは米国の国際条約への脅しを強めるだろう。安全保障面では、これは北大西洋条約機構(NATO)と韓国と日本への2国間保証が標的となろう。これらは信頼に依拠しているので、彼が完全に条約から脱退しなくとも、米国の約束への疑念を広げるだけでも、致命的たりうる。経済では世界貿易機関(WTO)が自然な標的になる。
対中政策が最重要だろう。中国に対するトランプの不満は経済的分野に限られていた。米中間の口論を大戦略(アジアの海の支配)と政治哲学(民主主義は専制主義より良いか)に拡大したのは、他の人々の(ポンペオ国務長官、バイデン大統領、政治・ビジネス・エリート)の仕事である。
トランプが貿易面で尊重されていると感じた場合、中国「封じ込め」への関心を失うだろう。台湾がこの点をはっきりさせる。トランプの台湾防衛についての考えは今なお不明だ。
ワシントンは、もし米国が介入しないならば同盟国が米帝国への信頼をなくすと恐れている。しかしトランプがこの「米帝国」を愚行と考えているならどうか。トランプの視野の狭さは、台湾についての彼の発言、半導体生産をマスターして「われわれのビジネスを取った」に表れている。
第2期目にわれわれを驚かすのは、トランプ主導の米中デタントかもしれない。