2023年12月6日(水)

Wedge2023年11月号特集(日本の教育が危ない)

2023年10月20日

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李 一諾

一土学校創設者

1977年生まれ。中国清華大学卒。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で生物学博士を取得。マッキンゼー・アンド・カンパニーの元グローバルパートナー、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の元中国総代表を歴任。2016年、「一土学校」を北京に創設。

 私は2011年に米国で博士号を取得後、コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、6年目に同社のグローバルパートナーになった。その夏、私は1歳の子どもを母に預け、米国と中国から合流した数人の友人と、これから始まる3週間のアフリカ旅行に期待を膨らませながら、飛行機でタンザニアに向かった。

(イラストレーション・阿部伸二)

 旅行の前半は、セレンゲティ国立公園で過ごし、オープンカーからさまざまな動物を観察した。「サファリ」での観光客は、アジア系の顔が多く、そのほとんどが中国人であった。旅行の後半は5日間かけて、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロに登った。キリマンジャロではアジア人の顔はほとんど見なかったが、私たちに挨拶してきた多くの人々が「Are you Japanese?(あなたは日本人ですか?)」と聞いてきたのだった。

 この時の経験は、私に強い印象を残した。彼らがそのように聞いたのはなぜなのか。さまざまなことが考えられるが、日本人に対して、良い印象を持っており、例えば困難に耐えることができ、冒険好きであるというイメージもあるかもしれない。


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