2023年10月14日付TaipeiTimes紙の社説は、米RAND研究所と笹川平和財団の報告書に触れながら、中国による台湾への攻撃を抑止することが台湾の隣国にとり利益となるとして、台湾防衛への支持で結束するよう求めている。
今年9月に公開されたRAND研究所と笹川平和財団による報告書によれば、日本の政策立案者が台湾に対する米国の支援の強化を支持する一方、韓国やフィリピンの政策立案者は米国の台湾支援が現状に留まることを望んでいる。
日本の当局者が、台湾海峡における紛争は日本に影響を与えると発言していることを考えれば、報告書の内容は驚くべきものではない。2021年に安倍晋三元首相は、日本はそうした紛争では台湾を防衛すると明言した。
昨年、日本は防衛白書に台湾に関する項目を盛り込み、今年、親台湾派の木原稔氏を防衛相に任命した。もし中国が台湾を支配すれば、次は日本列島に目を向け、尖閣諸島を始め沖縄県を取るのではないかとの懸念から、日本は、米国の台湾への軍事的支援の強化を求める。
一方、フィリピンは、南シナ海における中国の行動の方を懸念している。
韓国は、中国による台湾併合の影響を直接的には受けないかもしれないが、地域の海運が大きく混乱させられるため、影響を受けることは不可避だ。また、米韓相互防衛条約により、米国が台湾をめぐる紛争に巻き込まれれば韓国も巻き込まれることは避けられない。
結局、中国による台湾への攻撃を抑止することが、台湾の全ての隣国にとり利益となる。日本はどの国よりもこのことを明確に理解している。9月12日付ロイターによれば、先月、日本は当局者(注:防衛省の現役職員)を台湾における事実上の防衛代表として任命した。
米国は台湾に国防あるいは諜報機関の高官を駐在させている可能性が高いが、明言はしていない。安倍元首相が述べたように、米国は台湾を防衛する決意を明確にすべきである。
この問題で躊躇が見られれば、中国は米国や日本の政治家間に不和を植え付けようとするだろう。逆に、台湾防衛の支持で結束を示せば、フィリピンや韓国の政治家も支持を表明するようになるだろう。
台湾はしばしば第一列島線防衛戦略の一部と言われるが、そうした戦略が効果的であるためには、第一列島線に含まれる全ての国の間での協定(pact)を明確に示すべきだ。強力な協定が存在すれば、中国がこれらの国々に戦いを挑む可能性は低くなる。
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上記は、台湾の防衛のためには、米国、日本のみならず、フィリピン、韓国なども一致して、台湾支持の重要性を打ち出すことが必要であるとするTaipei Timesの社説である。