「増える目標」を設定する
例えば31巻279話「もう一つの夢」では、このようなことが述べられる。
「目標は数字が増えていくものにしたほうが良い、パーオン数とかバーディー数とか、数字が増えていくものだけを目標にする」
確かに、筆者がゴルフをプレイしても、同伴者がダブルボギーを叩き「あーやる気なくした!」と憤っているシーンなどを多く見る。ミスの数を「減らす」ことを意識するとこうなるのだ。
「増える目標」のみを設定して生きていけば、マイナスが発生しても気落ちせず、常に前向きに取り組んでいける気がしないだろうか?
野球でいうと例えば、「打率3割」「本塁打30本」「100打点」という目標なら、打率という「減ることがある数字」を見てしまうことには弊害があるということだ。
仕事におけるKPI(目標数値)の設定において、ぜひ参考にしていただきたい考え方だ。
失敗を容認する
続く280話でも、このように述べられる。
「パターの際には、オーバーして返しのパットが残ってもいい、と自分で自分に許可を出してあげることが重要。「1パットで入れたい、だけど3パットはイヤだ」という意識は、「しっかり打て、だけど打ちすぎるな」という正反対の指示を上司が部下に出すようなもの。
部下はパニックになる。「オーバーしていいよ!」と上司が許可すれば、部下は全力で「入れる」に集中し、楽しむことができる。もし上手くいかなくても、許可していたことだから後悔が発生しないのだ」
まさにセルフマネジメントにおいて、そのまま応用の効く話ではないだろうか。
AIの進化などもあり、より社会が高度で複雑化し、あらゆる仕事において、人々は総合力や、マルチスキル、領域をまたいだクロスボーダーな知見が求められ続けている。つまり総じて「人間力」を高めることが最重要であり、これはスポーツにもビジネスにも共通して通じる話であり、双方から学べることがあるということだ。
ぜひ、『オーイ!とんぼ』をその一つの教典にしてみてはいかがだろうか。