どう情報を収集すればいいのか
〝熱狂の時代〟においては、メディア自身がバブルの予兆を告げる言説を退ける。ガルブレイスは86年秋にニューヨークタイムズ紙に、株式市場の熱狂について注意を向ける論説を寄稿したところ、採用されなかった。現実にバブル崩壊後に、その論説はほとんどそのまま別の雑誌に掲載された。
それではバブルに飲み込まれないようにするには、どうしたらよいのだろうか。「投資には格好の本が手軽に手に入る。それは『会社四季報』である」と、述べたのはコラムニストの関西大学名誉教授の谷沢永一さんだった。いまでは、kindleを開けば、メディアとは異なる見方を知る書物にであうことができる。
さわかみ投信の創業者である澤上篤人さんは『暴落ドミノ 今すぐ資産はこう守れ!』(2024年1月、明日香出版)のなかで、さまざまな経済指標を駆使しながら、バブルの崩壊は近いとしている。いまのうちにキャッシュ化できるものはキャッシュにするべきだと、問う。
経済評論家にしてマネー運用の実務書のベストセラーを連発した山崎元さんは、遺作となった『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生の幸せについて』(24年2月、Gakken)は、専売特許となった「お金の運用を金融機関に相談するな」の視点にたって、大学生の息子に生き方とお金の運用についてわかりやすく伝授している。
大学の教科書に使える名著である。金融機関任せの運用では、金融機関が得になる金融商品ばかりを買わされるリスクがあるからである。