最近、日本とAUKUSとの連携、特に技術協力の可能性が注目されるようになった。米国はAUKUSで日本と原潜を除く防衛技術協力をする検討に入った、バイデン政権は岸田文雄首相の4月訪米までの合意をめざしていると報道されている。無人機等の協力は有益であろう。
豪州の対中関係も正常化の兆しを示している。中国も振り上げたこぶしを下ろそうとしているのだろう。
昨年11月にはアルバニージー首相が北京を訪問した。今年は、李強首相が6月か7月に訪豪する可能性があると言われる。
国際共同開発に加わらなければ「防衛に支障をきたす」
日英伊戦闘機共同開発と日本の「装備品等移転三原則」の関係が国会等で議論されている。3月5日、岸田首相は参議院予算委員会で、第三国への輸出解禁が必要だと訴えた。
日本が求める性能を実現するうえで「(第三国輸出が可能な)英伊と同等に貢献しうる立場を確保することが日本の国益だ」、次期戦闘機以外でも国際共同開発の枠組みに加われなくなれば「装備品の取得・維持が困難となり日本の防衛に支障をきたすことになる」、第三国輸出を解禁しなければ「価格低減の努力をしないことになり、日本が優先する性能を実現するために英伊が自ら求める性能を断念することは想定されない」等と述べた。妥当な立場である。
今や国家の安全保障を単独で確保することは無理であり、民主主義国との間の同盟が費用対効果上、軍事上、政治上最も合理的である。その傾向は益々強まるだろう。
一国では安全を確保できないし、日本のような大きい国が一国でそれを追求することは、実現可能性の問題の他、国際政治上も不安定化要因になる。民主主義国等第三国への輸出は解禁することが重要だ。