2024年7月16日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年4月4日

 しかし、インフレの高止まりは続いており、また、景気後退の兆候も見られることから、このような状況は、持続可能性があるとはいえず、国民がいつまで我慢することができるかが問題である。ミレイに対する国民の期待は依然として高いが、個々の改革措置については必ずしも支持されていないものも多いと言われる。

求められる「経済優先」

 ミレイは、オムニバス法案については最終的な妥協を拒否し、今後個別の法案を再提出する意向のようであるが、マクリ元大統領派に加えて中道派やペロン派の一部の支持を得ない限りはいずれにせよ承認を得ることは難しく、野党議員に対する過度な攻撃的発言を控えより柔軟な姿勢が求められる。

 この論説は、国民がドルで投資やビジネス、消費ができるようになれば、インフレは収束し経済が活性化すると示唆するが、最も望ましいのは外国投資の流入である。そのためにはアルゼンチン経済が安定化に向かうとの展望が成り立たないと難しい。

 財政支出削減やインフレを抑え込むと共に、ミレイが投資家から信頼されるためには、その過激な言動を慎み、経済自由化に直接関係しない改革提案は後回しにするべきではないかと思われる。

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