「健康で文化的な最低限度の生活」は国民の権利である
今回紹介した制度の多くは、国が定める法律に基づいて運用されている。その根底にあるのは、憲法第25条に規定する「健康で文化的な最低限度の生活」の保障という基本理念である。
国家には国民の生活を保障する責任があり、国民は保障を受ける権利がある。このことは、いくら強調しても、やりすぎということはない。とりわけ、生きづらさを抱える子どもたちには、大人の責任として「あなたには権利があるのだ」と伝えていくことが必要である。
和真や樹希、アベルは、私たちのすぐそばにいる。その親や周りの大人たちもまた、生きづらさを抱え、苦しんでいる。
社会保障制度を最大限活用したとしても、そのすべてを解消することはできない。しかし一方で、社会保障制度を知ることで、解決できることも少なくないのである。
特集ドラマ「むこう岸」は、NHKプラスで5月13日午後10:43まで視聴することができる。まだの方は、ぜひご覧いただきたい。