経済協力開発機構(OECD)が公表する各国の貧困率と比較してみると、日本の貧困率は先進国の中でもかなり高く、G7中ではアメリカに次いで2番目に悪い数値であることがわかります。
そのセーフティネットとして、日本では貧困の程度に応じて必要な保障を行う「生活保護」(Welfare)という制度が設けられており、厚生労働省が定める最低生活費を下回った場合に受給が可能になります。
ただし、生活保護を受けるための条件はそれほど甘くありません。基本的には不動産、自動車などの財産は売却する必要があります。現在では、65歳以上の高齢者*7の生活保護受給者が半分以上を占めています。
*7 世界保健機関(WHO)では65歳以上を高齢者としています。
どこからが「おカネ持ち」?
では、反対に「おカネ持ち」とはどのような人々のことを指すのでしょうか?
日本では、一般的に保有資産(純金融資産)1億円以上を「富裕層」(Wealthy Class)*8、保有資産(純金融資産)が5億円以上を「超富裕層」(Super Wealthy Class)としています。日本だと富裕層以上は意外と少なく、全体の約2%しかいません。
なお、フランスに拠点を置く研究グループによって報告された「世界不平等レポート2022」によると、世界の上位1%の富裕層だけで世界の富の4割近くを保有し、上位10%になると8割近くを保有しているそうです。また、下位50%が所有する富は全体の2%にとどまり、経済格差(貧富の差)の深刻さを物語っています。
*8 アメリカでは100万ドル(1億5千万円)以上を富裕層としています。