2025年1月12日(日)

Wedge REPORT

2025年1月12日

 野球の大谷翔平選手は2024年、ロサンゼルスドジャースへの移籍1年目で「54本塁打&59盗塁」という「50-50」の歴史的快挙を達成し、ワールドシリーズを制覇。2年連続のMVPとなり、多くの記録と記憶を残した年にした。

 迎える2025年、野手と投手の二刀流を復活させ、3年連続のMVPも狙う。今年も日本のスポーツ界での〝注目の的〟となりそうだ。

 今や米国社会でも評価を高め続ける大谷選手の活躍は日本社会への大きく寄与する。ただ、一部で起こる過剰報道はその価値を損なう危険すらある。

 大谷報道を振り返る記事4本を紹介する。

<目次>

・「大谷翔平をどう思う?」日本でも米国でも繰り返される質問、日本の「顔」をすり減らす報道はもうやめよう(2024年11月28日)

・〈日本のメディアの大谷翔平報道は過剰すぎ?〉価値をむしろ下げるリスクも、問われる取材姿勢(2024年9月3日)

・【フジと日テレは猛省を】大谷夫妻の新居報道、日本の取材手法は非常識!このままでは日本への信頼失墜も(2024年7月9日)

・「天才」大谷翔平とは何者か AI活用し自ら「デザイン」
NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平~2023年の伝説と代償 そして新たな章へ〜」(2023年12月31日)

「大谷翔平をどう思う?」日本でも米国でも繰り返される質問、日本の「顔」をすり減らす報道はもうやめよう(2024年11月28日)

ワールドシリーズを制し、MVPも受賞した大谷翔平。今後、どのような記録と記憶を与えてくれるか( Alex Slitz /gettyimages)

 日本時間11月22日朝、2024年のメジャーリーグMVPの発表が米テレビ番組の中で行われ、ナショナルリーグでは大谷翔平が満票で受賞となった。過去にアメリカンリーグで2度MVPに選ばれているので3度目の受賞となる。しかも3回とも満票での受賞であり、今回の受賞で両リーグで受賞したことになるなど異例ずくめの受賞であった。

 指名打者がMVPを受賞するのは史上初である点も注目された。指名打者は守備につかないため、指名打者のMVP受賞はありえないという声もあり、実際、ボストン・レッドソックスに所属していたデヴィッド・オルティーズのようなその背番号がチームの永久欠番となるような活躍をした選手を含めて、指名打者でありながらMVPを受賞した選手はこれまで一人もいなかった。それ故、大谷はMVPを獲得するにしても満票ではないのではという見方も強かったが、そのような声をはねのけての満票での受賞であった。

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「大谷翔平をどう思う?」日本でも米国でも繰り返される質問、日本の「顔」をすり減らす報道はもうやめよう

〈日本のメディアの大谷翔平報道は過剰すぎ?〉価値をむしろ下げるリスクも、問われる取材姿勢(2024年9月3日)

大谷翔平選手への囲み取材には、日米を中心に多くのメディアが集まる(AP/アフロ)

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の活躍がめざましく、日本国内でも連日、大々的に報じられている。昨年9月の右肘手術の影響で打者に専念する今季は史上最速での40本塁打、40盗塁(40―40)を達成し、史上初の「45―45」が目前に迫る。さらに先には「50―50」も視界にとらえつつある。

 そんな大谷選手については、メディア関係者と話をしていても、「記事のニーズが高い」とよく耳にする。新聞の発行部数が右肩下がりで落ち込む中でも、多くのメディアが米国へ記者を派遣し、現地から積極的に大谷選手に関連する記事を配信するのもこのためだ。

 一方で、新居を特定できるような放送をしたテレビ局や、一流のメジャーリーガーである同僚たちに大谷選手に関する質問ばかりをぶつける日本メディアの“過剰”な取材を憂うる意見も出てきている。

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〈日本のメディアの大谷翔平報道は過剰すぎ?〉価値をむしろ下げるリスクも、問われる取材姿勢

【フジと日テレは猛省を】大谷夫妻の新居報道、日本の取材手法は非常識!このままでは日本への信頼失墜も(2024年7月9日)

大谷翔平選手の新居や私生活など、個人的なことを報じることに意味はあるのか(AP/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、ロサンゼルス近郊に購入した新居について、フジテレビと日本テレビが自宅の空撮や周辺住民へのインタビューなど、所在地や間取りがわかる報道をして問題となっている。批判を受けて、フジテレビでは港浩一社長が定例会見で正式に謝罪をするに至った。この新居報道だが、2つの大きな誤解がある。

 まず、自宅を特定した報道であるが、その発端は5月22日に現地の主要紙「ロサンゼルス・タイムズ(LAタイムズ)」が掲載した、ジャック・フレミング記者の記事にあるようだ。フレミング記者の記事は、大谷選手の新居について、グーグルアースが提供している3D化した衛星写真を紹介、更に購入金額、物件の特徴、そして売買にあたっては著名なDJから購入したという事実を紹介している。

 この記事を見た日本の両テレビ局は、著名な新聞が報じているのだから、その内容は既に幅広く公開して構わないと判断した可能性がある。問題は、このLAタイムズの記事の性格だ。

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【フジと日テレは猛省を】大谷夫妻の新居報道、日本の取材手法は非常識!このままでは日本への信頼失墜も

「天才」大谷翔平とは何者か AI活用し自ら「デザイン」
NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平~2023年の伝説と代償 そして新たな章へ〜」(2023年12月31日)

「天才」大谷翔平の実像とは?(AP/アフロ)

 NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平~2023年の伝説と代償 そして新たな章へ〜」(12月24日)は、天才「大谷翔平」の実像に迫る迫真のインタビューである。人工知能(AI)を応用して投打の技術を磨いて最高の水準に引き上げる「デザイン」という概念がメジャーで取り入れられ、その活用の先端に大谷がいることには驚かせる。

 「投打の二刀流」によってメジャーを驚かせた大谷は、日本球界にも衝撃の波紋は広がっていくだろう。アジア人初の本塁打王やMVPの投票において満票で2度目の受賞を受けたことなど、記録を超えた大谷像を浮かび上がらせたインタビューの傑作である。

 ここではまず、野球選手として、そして監督として実績を積みかつ、人材・組織の育成論においてもいまなお読み継がれている、野村克也氏の著作のなかから『野村のイチロー論』(幻冬舎、2018年)を引いていきたい。イチローを論じながら「天才」とはなにかを鮮やかに描き出しているからである。

 「イチローは天才でありながら練習の虫なのである」

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「天才」大谷翔平とは何者か AI活用し自ら「デザイン」
NHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平~2023年の伝説と代償 そして新たな章へ〜」

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