石破氏への提言ーーコミュニケーションの視点から
石破とトランプによる日米首脳会談が実現した場合、石破はコミュニケーション戦略に基づいた会話をすることが望ましい。キーワードを会話の中に鏤めて、コミュニケーションをとることが賢明である。
そのキーワードとは、「製造業」「雇用」「白人労働者」および「ヒスパニック系(中南米系)労働者」の4つと、日本の米国への投資における過去および未来の「貢献」である。
トランプは、「米国の製造業を復活させ、雇用を創出した大統領」というレガシーを残したいからだ。白人労働者は、トランプの支持基盤を構成する重要なメンバーである。一方、トランプは演説で、ヒスパニック系の票獲得が、24年米大統領選挙における勝因となった点を挙げており、彼は同系の雇用の増加を歓迎する。
トランプがとっている日本製鉄のUSスチール買収反対の立場や、予想される在日米軍の駐留経費の増額および米製の戦闘機の購入等の要求をエスカレートさせないためにも、石破はトランプの「ツボを押さえた」上記の4つのキーワードと「貢献」を絡ませた会話を進めるべきだ。つまり、トランプと会談をする際、「4(フォー)プラス1(ワン)」が、石破の成功の鍵を握るのだ。