参院選は予想を通り、与党の惨敗だった。想定外は、石破茂首相の居座り宣言だろう。
参院選で惨敗という結果となった石破首相(代表撮影/ロイター/アフロ)
総選挙、都議選、今回の参院選と3連敗しながらの続投は、国民の理解が得られるのか。選挙敗北の後、退陣を拒否した首相は過去にもいたが、その後はかならずしも平坦な途ではなかった。今度も石破おろしが予想されうる。
一方、今回の参院選は、結果的に日本の政治、社会の隠れた側面を浮き彫りにした。外国人受け入れをめぐる対立・分断、「国難」にあって団結できない与野党の実態――などだ。
国際社会おける日本の存在感、影響力の衰退も懸念され、勝敗がはっきりしたにしては胸のつかえが残る選挙結果だった。
党内には「民意尊重」の声も
石破首相は投開票から一夜明けた21日午後の記者会見で「結果は謙虚に受け止めなければならない」と述べ、敗北を陳謝した。
そのうえで、「比較第一党を頂戴したのはありがたい」として、トランプ関税交渉、物価高対策など当面の政策課題を挙げ「政治に一刻の停滞も許されない。国家国民への責任を果たしたい」と職務継続の理由を説明した。
首相は会見に先立つ自民党の臨時役員会でも同様の説明をしたが、出席者からは、「国民の意志を深刻に受け止めるべきだ」など厳しい指摘がなされたという。
首相が強気に出たのは、過半数割り込みという厳しい結果ではあったものの、20日夜の開票作業では深夜になってから底力もみせ、当初の予想ほど傷口が少なかったことなどがあったようだ。
