国内最大の自動車関連の展示会「ジャパンモビリティショー2025」が開幕した。IT・通信・エレクトロニクス産業も含めた「モビリティ(移動)」に関連した過去最多500社以上の企業・団体が参加。新たな〝移動の形〟を見せている。
メインプログラムの一つとして「Tokyo Future Tour 2035」を設け、モビリティ技術によって実現しうる10年後の景色や生活を見せているように、自動車および移動に関する技術は大きな変化を起こしている。自動車メーカーは電気自動車(EV)や自動運転、空飛ぶ車と、様々な形で技術革新が繰り広げられ、商品展開もされている。
技術の発展や社会の需要が日々変化する中、自動車部品も対応に迫られる。一つひとつは小さなものでも、課題への対策と工夫が込められている。部品業界の展示を追ってみた。
動力源への工夫
自動車部品のグローバルサプライヤーのアイシン(愛知県刈谷市)は、EV用とハイブリッド用のモーターを展示した。「充電インフラの普及が鈍化もしているので、まだハイブリッドの需要もある」と担当者は話す。トヨタ自動車が「全方位戦略」を進めており、それに対応している部分もある。
ハイブリッド用で力を入れているのが小型化と動力強化だ。モーターだけで走るEVに比べ、エンジンも兼ね備えることから大きくなる。小型化によって積載で必要となるスペースを可能な限り減らそうとしている。
動力強化は主に商用車向けだ。「現状では、モーターよりもエンジンの方がけん引力を上げられる。悪路を走るには耐久性が求められるので、そうした場所を日常的に走る車向けに強いエンジンという需要が一定数ある」という。
一方、EV用のモーターは電気を活用した新たな機能の付加である。その一つがエンジンブレーキ。アクセルを踏まない時に減速を強くする設定にすることでブレーキの負担を減らしせる。同社は展示で自動車の「知能化」というコンセプトを掲げており、情報やデータが車とつながることで、移動のあらゆる場面に新たな付加価値を提供するとしている。それがEVでは実現しやすくなっている。
