「米軍駐留」はあるか
焦点となるのは、和平協議における海外軍隊の駐留の可能性だ。北大西洋条約機構(NATO)加盟国がウクライナ国内に駐留する限り、ロシアはウクライナに再侵攻することは考えられない。特に米軍や欧州主要国部隊のプレゼンスはロシアに対する抑止力として重要な意味を持つ。
プーチン大統領はウクライナに全面侵攻して戦争を始めたのであり、その狙いは全土の制圧か事実上の属国化にある。欧米の軍隊のプレゼンスはそのような狙いに対する強い抑止となり、これまでもロシア政府はそのような案に対し激しく反発してきた。
この点についてゼレンスキー氏はトランプ大統領との会談で、戦後のウクライナをめぐる安全保障維持の観点から、米軍駐留の可能性について具体的に協議した事実を明かした。
ポーランドのトゥスク首相は12月30日、米・ウクライナ首脳会談の内容について言及し、「今後数週間以内に、米軍による安全保障の提供をめぐる協議がまとまり、和平が合意される可能性がある」と発言した。事実であれば、2月にもロシア・ウクライナの戦争が停戦にいたることになる。
そのような事態に至るかは、ウクライナよりむしろ、ロシア側の決断に多くがゆだねられることになる。しかしそれはいずれにせよ、当初のロシアの戦争開始の目標とは遠く離れたものになることは間違いない。領土の割譲を求められるウクライナだけでなく、ロシアのプーチン政権もまた、厳しい判断を迫られることになる。
