2026年3月23日(月)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2026年3月23日

 18年には資源崩壊の恐れありとの警告があらわれる。同年10月、秋田県と漁業者でつくるハタハタ資源対策協議会の席上、県水産振興センターは現状の漁獲圧が継続するならば、27年には漁獲量がほぼゼロになってしまうとの推定を提示し、現状を維持するためには漁獲圧を現在比の3割にすること、つまり漁獲圧の7割カットを呼び掛けている。今の状態をかなり正確に予想していたとも言えよう。

出所:秋田県水産振興センター(2018)「平成 30 年度第 2 回ハタハタ資源対策協議会資料」6頁。

漁獲枠撤廃、ハタハタ漁業の終焉へ?

 県水産振興センターは翌19年にも全く同様の評価を提示している。これは、有意なレベルでの漁獲圧の削減はなされなかったことを示唆している。それどころか、21年には漁獲枠自体が撤廃されてしまう。

 各漁協別の漁獲量は、前年の漁獲や操業実績が勘案される。このため既に漁獲量が大幅に減少しているハタハタを無理に獲ろうと操業を行ってしまう。ならば漁獲量を制限するのではなく、漁獲努力量(操業日数)を制限しよう、という理屈である。

 しかし資源保護のための効果的な操業日数規制はできたのであろうか。県水産振興センターの担当者が「取る人が少なくなったのだから、1人当たりの漁獲量を強く制限する必要は減っている。やる気がある人には、できるだけ自由にやってほしい」と語っているところを見ると、実際は、そうではなかったようにも思われる。漁獲量はさらに激減、そして今年、秋田のハタハタ漁業は終わりを迎えつつあるかのようにも見える。

温暖化のせいばかりにする愚

 近年の温暖化に伴い、海水温が上昇している。気象庁によれば、日本近海における25年までの海域平均海面水温の上昇率は、100年あたり1.36℃であり、ハタハタの産卵期である12月の日本海中部の上昇率は2.3℃にも達している

 産卵期に水温が高いと、ハタハタが産卵のために接岸する行動が抑制され、水温が14℃以上になると稚魚の成長が停滞あるいは死亡するとされる(水産研究・教育機構(2025)、33頁)。海水温の上昇は、ハタハタの漁獲量・資源量の減少に強く寄与していることが疑われる。

 しかし、残念ながら気温上昇トレンドはほぼ疑いなく今後も続き、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書も指摘しているように、例え温暖化を抑制したとしても21世紀末までに海洋の温暖化は確実に進み、海洋における多くの変化は数百年から数千年にわたって不可逆的である(IPCC第6次評価報告書第一作業部会報告書政策決定者向け要約B.5及びB.5.1)。「環境のせいだから」とだけ言って何もしなければ、資源は減る一方になってしまいかねない。

 我々にとりあえずできることは、漁獲量を調整することでしかない。「たられば」を言っても仕様がないことなのだが、先述したように資源崩壊の警告は出されていたわけなので、本来ならばその時点で大きくブレーキをかけるべきであったのだろう。


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