国の実施状況調査では、2015年の公立民営(設置主体が自治体、運営主体は民間)施設1万589のうち株式会社運営はわずか525だった。それが25年では公立民営1万3543のうち株式会社運営は4299と8倍超とすさまじい増加ぶりだ。
一方、かつて運営主体の中心だった運営委員会・保護者会の学童は15年の3555から2362と数を減らしている。最も減少が顕著なのは公営学童で8631から5800と減らしている。
学童保育の施設数そのものが2万2608から2万5928と総数が増えている中で、保護者運営や公営の学童はその数を減らし、株式会社の学童保育所が増えている。数字は学童保育の産業化の伸張を明確に示している。
事業の構造
学童保育の基本的な収入は利用者から徴収する利用料(保育料等)と国や自治体からの補助金の2つ。もっとも補助金は学童保育に必ず交付されるものではなく、どの補助金をどれだけ交付するかは自治体の裁量に任されている。
支出は人件費がその7~8割を占める。学童保育は典型的な労働集約型産業で職員がいなければ不可能な事業だ。AIやロボットが代行できる事業ではない。その他は施設の光熱水費や通信費、賃料、こどもの活動費用(教材や書籍等)となる。
運営内容によって異なるが、おおむね標準的とされる児童数40人前後の学童保育であれば年間の予算は2000万円台だろうか。補助金はおよそ1200万円前後、残りは保護者からの徴収額で賄うが、自治体が意図的に利用料を低額にしている場合、自治体は一般財源から予算の不足分を拠出することもある。
学童保育のうまみ
こんな状況でどうやって学童保育事業から利益を得るのか不思議に思う人も多いだろう。確かに20年前であれば学童保育で儲けようという民間事業者はほとんどなく、非営利法人や保護者会による民営や公営の学童が多かった。ところが少子化対策として学童に対する国の補助金が10年代以降、顕著に増えた。
15年は補助金の中心である「運営費」が約370万円だったが、26年では同条件で約541万円となり、さらに常勤職員2人配置になると約749万円にまで増える。
事業者は「効率的な運営」ができれば、その差額分を利益とすることができる。学童保育の産業化とは「補助金ビジネス」そのものだ。

