2026年6月11日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年6月11日

 ブトロス・ガリやアナンは安保理改革を推進したが、国連特有の足の引っ張り合いにあった。今の状況については、特に安保理常任理事国のロシア(プーチン)や米国(トランプ)の国連軽視や安保理対応は、常任理事国の問題と言われても仕方がない。常任理事国の拒否権がそれを可能にしている。

国連強化への議論が必要

 しかし、世界は国連なしにはやって行けない。国連は、国際議論の重要な場であり、強権を含め平和維持のための立法的能力を持つ唯一の国際機関だ。

 さらに、開発を含む世界規模課題のための協力の場となっている。いずれ、国連の強化のために加盟国の間の議論を本気で盛り上げる必要がある。

 社説は、国連は平和と安全保障の本来任務に焦点を絞ることや、し過ぎた活動の見直しなども求める。全ての会議や組織がそうであるように、国連は普遍主義、主権国の平等を背景に、活動の取捨選択がなかなかできない。

 国連特有のカルチャーの問題もある。国連事務総長は、「安保理の勧告に基づいて総会が任命する」(憲章第97条)。新総長は、来年1月1日に就任する。安保理が検討し、何回かの非公式投票を経て、コンセンサスを作り、最終的には秘密投票で決定する。

 常任理事国は実質上拒否権を持つ。場合によっては、新たな妥協候補が出る可能性もある。これまで、総会が安保理の勧告を拒否した例はない。

 現時点での候補者は、次の5人である。①ラファエル・グロッシ 国際原子力機関(IAEA)事務局長(アルゼンチン出身)、②ミシェル・バチェレ元チリ大統領、元国連人権高等弁務官、③レベカ・グリンスパン国連貿易開発会議(UNCTAD)事務局(コスタリカ出身)、④マッキー・サル前セネガル大統領、⑤マリア・エスピノーザ元エクアドル外相。

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