いつも以上の節電と節エネを
日本の化石燃料輸入価格の推移を見ると、これから電気料金は上昇する。発電の約3分の2は石炭とLNG火力が担い、需要がピークの時に利用される石油火力も7%程度のシェアがある。
燃料価格の急激な変動により電気料金が大きく上下することを避けるために、多くの電気料金は3カ月平均の燃料価格に基づき、料金を2カ月遅れで値下げあるいは値上げする。
3月から上昇し始めた燃料価格の影響は5月までの3カ月平均に反映され、8月支払いの電気料金の値上げの形で現れる。原油、LNG、燃料用一般炭すべて値上がりし始めている(図-4)。
ホルムズ危機が解消し化石燃料価格が下がり始めても、3カ月平均の燃料価格に基づくので電気料金にすぐには反映されない。
依然として流通の目詰まりが指摘されるナフサの供給はどうなっているのだろうか。1月から3月にかけて製油所の定期点検が多くあり、ナフサ分解プラントも停止したことから、ナフサの需要量も落ち込んでいた(図-5)。
これから定期点検のプラントもあるが、大半が終了したことから、プラントでのナフサの分解も進んでいる。ナフサの需要が落ち込む時期にホルムズ危機が発生したのはタイミングが悪いといえるが、化学業界の方は、通常定期点検前にはポリエチレンなどの中間製品の在庫を増やすので、ナフサの分解量は減少しても川中製品の供給には問題は生じないはずとしている。
5月のナフサが大半を占める揮発油(政令で定める石油化学製品の製造に使用するもの)の輸入量は、中東から大きく減少したものの米国などから増え、総量は前年同月比13.7%減に留まった。中間製品の輸入増もあり数量は確保されている。ただし、揮発油の輸入価格は大きく上昇している(図-6)。
ホルムズ海峡が開放されれば、過剰な発注、在庫の積み増しによる目詰まりは解消されるだろうが、中東諸国の石油プラントの損傷もあり供給の正常化には時間が掛かる。そのため価格が正常化するには時間がかかるだろう。
5月の原油の輸入量は前年同月比57.3%減の日量換算96万バレルに留まっている。ホルムズ海峡が完全に開放されても、出荷は年内には戦争前のレベルには戻らない。日本を含め多くの国は在庫、備蓄の積み増しが必要になるので、当面の間需給環境は大きく改善しない可能性が高い。
ホルムズ危機は天然ガス由来の肥料の価格も上昇させたが、その影響が出てくるのは、これからだ。値下げの秋が実現するか微妙だ。節電、説エネを心掛けることが、いつも以上に必要なようだ。



