口コミを作る難しさ?パワーブロガーを詣でる
人気なのはメリーズに加え、資生堂の日焼け止め「アネッサ」、MTGの美顔器「リファカラット」、花王のホットアイマスク「めぐりズム」などだ。現在売れている商品のほとんどは口コミやネット情報によって人気を得たもので、偶然の要素が強い。
ブランディング戦略の主流となるのが「パワーブロガー」を使ったSNS広告だ。現在、中国では「網紅経済」(ネット有名人エコノミー)という言葉が流行している。テレビや新聞、雑誌などの伝統メディアよりも、SNSや動画サイトで数十~数百万のフォロワーを持つパワーブロガーのほうが消費者に強い影響力を持つとされる。ベンチャーファンドがブロガーに融資する事例も相次いでおり、16年1~3月だけで5830万元(約10億円)がパワーブロガーに融資されたと中国メディア・投資界は報じている。
日本では中国進出支援のコンサルティング企業が乱立しており、「まずは50万元かけましょう」などの言葉で、いずれもこのSNSマーケティングを推奨している。
しかしネット有名人を使ったマーケティングは多くの企業が行っており、そう簡単に効果はでない。フォロワー数や閲覧回数の偽装も横行している。
日本でもステマ(ステルスマーケティング)が問題になっているように、仲介企業やネット著名人の真贋を見分けるのは至難の業。日本在住の著名SNSユーザー「林萍在日本」さんも「私自身が良いと思った商品だけだが、日本企業に頼まれて微博(ウェイボ)で広告を〝つぶやいた〟ことがある。ただ粗悪品の宣伝をするパワーブロガーが多く、中国人消費者がSNS広告に反応しなくなる日は近い」と語る。