ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年8月5日

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小川大介 (おがわ・だいすけ)

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。難関中学、国公立大学医学部などへ多数の合格者を送り出す。2000年、さらなる学習指導の理想を追求し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。著書に『小川式[声かけ]メソッド』(宝島社)、『中学受験 基本のキ!』(共著:日経BP社)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)など。今年10歳になる男の子の父。

問いかけの力が子どもの計画力を育てる

〔素養5〕カジュアルな問いかけ

 最後の素養が「カジュアルな問いかけ」です。いま私たちが目指しているのは、子ども自身が計画を立て実行できる力を持つようになることです。それには、親が計画をお膳立てして一方的にやらせるだけの状態に陥らないよう、計画づくりにも実行にも子ども自身が自発的に関われる状況を作り出していく必要があります。そこで用いるのが「問いかけの力」です。「今週に絶対やっておきたいことって何?」「遊ぶ予定ってどうなっていたっけ?」「今日はどんな計画なの?」「その予定を実行するのに必要なことは何?」などと、問いかけて子どもなりの答えを引き出していくのです。

 この問いかけを行う際に一番気を付けなければならないのは、「怖い顔をしないこと」です。言いかえれば、親の方で先に決めた「正解」を子どもに答えさせようとはしないことです。テストにしてしまってはいけません。変に考え込まず、カジュアルな雰囲気で気楽に問いかけます。返ってきた答えが予想したものとは違う時も「それは違うでしょう」とダメ出しするのではなく、「あ、そうなんだね」といったんそのまま受け取ります。問いかけられたから答えたのに、それに対してダメ出しされれば子どもは、問いかけられる=親が答えを決めていて間違うと叱られること、と理解してしまうからです。問いかけた以上、相手から返ってきた答えをひとまず尊重するのはマナーです。

 でも、今すぐ行動に着手してほしい、予定を考えてほしいというタイミングで、とんちんかんな答えが返ってきたら親としても冷静ではいられませんね。「もう時間がないのに何を言ってるんだ!」とイライラしてしまいます。ですから、問いかけるタイミングが大切になります。ぎりぎりになって聞くから、焦りといらだちが生まれるのですし、問いかけに「強要」の雰囲気が漂ってしまうのです。一方、まだ時間的な余裕がある段階で、前もって問いかけるようにすれば、子どもの答えを受けてさらに相談する時間的余裕が生まれます。その余裕があるから、カジュアルな問いかけができるのです。

 こうしてみてくると、「カジュアルな問いかけ」は〔素養3〕の「笑顔のフィードバック」と対の関係になっていることがご理解いただけるのではないでしょうか。

 以上が、子どものスケジューリング力を養う親の5つの素養です。

 子どもに取り組ませる前段階として、親側の準備体操のようなイメージでとらえてみてください。子どものスケジューリングを上達させるには、関わる側の親がまず自分のスケジュールを整える必要がありますし、笑顔のフィードバックが上手になるには、子どもの粗探しではなく、いいところを探す気持ちが大切です。感情を先走らせずに、子どもの行動をありのまま客観的に見る目も持つようにしたいですね。

 次回は、幼児期から始めるスケジューリングの9ステップに入っていきます。それまでに、今回の5つの素養を手に入れて、子どものスケジューリング力を育むのが得意な親になる準備を進めておいてくださいね。

 

  
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