以前に千葉県主催のパネルディスカッションにパネラーの一人として登壇しました。
そのさい、当時の退任間近の知事が「特別養護老人ホームを風光明媚なところにつくり……」なんて自慢気にいいました。
「風光明媚なところ」とは、裏を返せば「人里離れた場所」、すなわち「土地代の安いところ」「家族や友人などが日常的に短時間で行きにくいところ」といった場所であり、含意なんですよね。
私は「この知事、なにを勘違いしているのだろう」と思いました。
だって、もしそのような考え方で福祉施設をつくるのであれば、棄民政策だと思うからです。
そうではなく、障がいをもった方(最近はチャレンジャーというそうです)もこっち、今のところハンディのないかた(健常者)もこっち、つまり一緒に地域で暮らすのがよいと思うからです。
それが、私の思い描くノーマライゼイションのまちであり社会の姿だからです。
障がい者も主役の秋津まつり
「いつもありがとうね!」
「はい、ぼくたちがんばります!」
秋津まつりで出るゴミを片づけている花の実園の青年らと、私とのやりとりです。
毎年10月に開催する地域最大のイベントの秋津まつりは、土日の休校日にもかかわらず秋津小学校の授業日にもなっていて数万人の人出があることからそのゴミはすごい量です。
しかも花の実園は秋津にある授産施設(作業所)ですが、知的障がいをもった青年らが行うのですから大変です。
でも、この青年らも秋津まつりの主役のひとり一人なんです。
秋津まつりは、まちが誕生して2年目に地域の自主性で、やはりまちと同時に誕生した秋津小学校を会場にして開始しました。
当時の町会のリーダーらが、子どもたちにとってのふるさと秋津になるようにと発案したのです。