2022年12月4日(日)

地域再生のキーワード

2017年12月3日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

 

 

 03年から直接取引に乗り出し、07年には英国ロンドンで開かれた「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」の日本酒部門で金賞に選ばれた。その時、「日本酒には個性となる物語が欠けている」と感じたという。ワインなら畑やブドウ、樽にいたるまでストーリーがある。もっと日本酒に個性があってもいい、と考えたのだという。

スペイン・バスクからの視察団

 それが学校蔵での、徹底して「佐渡産」にこだわる酒造りにつながっているのだろう。国際化で日本の良いものに磨きがかかれば、農業も地域も活性化する。父の代から続く観光客向けの酒蔵見学には外国人の姿がぐんと増えた。取材当日もスペイン・バスク地方からの視察団が学校蔵や本社を訪れていた。

物語の共感者を増やす

 そんな尾畑さんが取り組む「物語」への共感者は間違いなく増えている。SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)でのつながりも広がっている。学校蔵を訪れた人たちは間違いなく皆、佐渡のファンになり、尾畑さんの応援団になっていく。繰り返し訪れて、佐渡の各地を訪ね、食材を楽しむようになれば、いずれは佐渡全体にその効果が広がっていくというわけだ。

 「世代をつなぐ酒造りがしたい」と尾畑さんは言う。おじいちゃんと女子大生が酒瓶をはさんで向かい合うような交流。そんな人と人の「和」を醸すことで、地域が元気になっていくことを尾畑さんは考えているのだろう。それこそ本来の酒の役割だったのかもしれない。

酒蔵から上がる米を炊く蒸気

(写真・生津勝隆 Masataka Namazu)

  

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◆Wedge2017年1月号より

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