2022年9月26日(月)

ある成年後見人の手記

2017年8月15日

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松尾康憲 (まつお・やすのり)

ジャーナリスト

1953年生まれ。76年共同通信社入社。87年から2004年まで北京特派員、上海支局長、ハノイ支局長を歴任。現在は放送報道局委員。著書に『現代ベトナム入門 ドイモイが国を変えた』(日中出版)、共訳書に『中国の禁書』(新潮選書)、『性愛の中国史』(徳間書店) 

 姉妹が2人、甥が5人、姪が7人というのが血族の14人で、兵庫、宮城、神奈川、福岡の各県に散らばって住む。なお血族たちは、いずれも仮名とし、年齢は15年元日時点のものだ。

 このうち私が会ったことのあるのは、神戸市在住の実妹、田宮悦子(83歳)とその息子で血族の中で最年少の次郎(51歳)だけ。他は見ず知らずだ。田宮親子は私の呼びかけで09年に由利子の見舞いに訪れたものの、気まずく別れたきりである。その経過は既に書いている。

 血族の中に、由利子の後見人に誰も名乗りを上げる者がいなかったから私がなったわけで、私としては血族の面々に好感を持てるはずがない。こうした感情はさて置いても、この14人を相手に連絡を取り、代表を選んでもらって1400万円超という大金を引き渡す作業は容易でない。法律家たちが言うところの死後事務の詰めこそが、後見人を終えたばかりの者にとって最大の難事なのだ。
(つづく・『遺産を早く受け取ってくれ!【ある成年後見人の手記(8)】』)
裁判所が前言撤回、認められた葬式代【ある成年後見人の手記(6)】

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