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2018年9月12日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

加害者でも被害者でもない、傍観者の子どもが鍵

――海外のいじめ対策について、良い取り組みだと思うものについて教えてください。

岸田:本の中でも紹介していますが、ノルウェーの心理学者ダン・オルヴェウス氏の「いじめ防止プログラム」。20年前に取材して、日本でもいろいろな学校に導入されるだろうと思っていたら、あまりまだ知られていないのでもう一回伝えたいと思って書きました。

オルヴェウス氏の「いじめ防止プログラム」では、4つの項目を共通ルールとして提案。

1、私たちは、他の人をいじめません。
2、私たちは、いじめられている人を助けます。
3、私たちは、一人ぼっちの人を仲間に入れます。
4、私たちは、もし誰かがいじめられていれば、それを学校の大人や家の大人に話します。

その上で、スローガンだけで終わらせないために、子どもたちは定期的に話し合いを行うなどの取り組みを勧めている。

岸田:この方針のいいと思うところは、いじめを見ている周りの子どもたちにも呼びかけていること。「いじめは悪いことだよ、やめよう」だけではなくて、「友だちを助けることは命を守るために必要」「友だちがいじめられていたら、大人に言いましょう。それは当たり前」と教えている。いじめに気付いている周囲の子どもたちに働きかけることは、いじめ対策のカギになると思います。

――確かに、いじめを知っているけれど、どうすればいいかわからないという子どもも多いと思います。

岸田:被害者と加害者だけの問題にしてしまうと解決が難しいけれど、周りで声を上げられない子どももたくさんいて、その子たちも何もできないって自分を責めて苦しんでいる。その子たちの声を聞くことを当たり前にして、大人との信頼関係を作る。それが大事だと思います。日本では、その部分が遅れているかもしれません。

今回のポイント
・どの子もいじめの加害者にも被害者にもなる可能性がある
・親と教師がコミュニケーションを取ることが子どもを救う
・学校のいじめへの取り組みについて、評価する目を持つ

  
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