Wedge REPORT

2019年12月5日

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 2019年12月4日、公立学校の教員の勤務を年単位で調整する「変形労働制」を導入できる法改正案が参院本会議において賛成多数により可決された。改正法の成立により、学校行事が忙しい時期の所定労働時間を延長し、代わりに夏休みの授業がない期間の労働時間を短縮することができるようになる。

 この背景にあるのは、教員の長時間労働だ。18年9月に文部科学省が公表した教員勤務実態調査(2016)では、公立学校の小学校教諭の3割、中学校教諭の6割が「過労死ライン」である月80時間を超える時間外労働を行っていることが分かった。国際的にみても、経済協力開発機構(OECD)が6月に発表した国際調査によれば、日本の小中学校教員の1週間当たりの勤務時間は小学校で54時間、中学校は56時間にのぼり、加盟国等48カ国・地域の中で最も長い。

煌々と光る夜の校舎とグラウンド。教師たちの1日は長い
(TARO HAMA@E-KAMAKURA/GETTY IMAGES)

 「教育実習で仕事の多さに圧倒され、教師の夢を諦める学生が後を絶たない」。北海道教育委員会上川教育局の川島政吉主幹は悔しさをにじませた。こうした労働環境を改善するためにも、教員の確保も重要な課題となっている。近年の大量退職に向けて採用枠を増やす傾向にある一方で、教員志望者数は12年以降毎年減少している。ピークの00年には12.5倍あった小学校教員採用試験倍率は18年に3.2倍まで減少し、年々いい人材を採りにくくなっている。

 また、世代交代による年齢構成の変化で、現場力が落ちている。前述の教員勤務実態調査の結果を性別・年齢別にみると、男女共に30歳未満の教員の学内勤務時間が最も長かったが、学校教員統計調査(2016)によると、04年から16年にかけて20~30代の若手・中堅比率が増加し、40代のベテラン比率が減少していることが分かる(下図)。これまで40代のベテラン層が中心となって担ってきた業務を、若手・中堅が担っている状態だ。

(出所)「平成28年度学校教員統計調査」を基にウェッジ作成 ※小数点以下第2位を四捨五入のため、計と内訳の合計が一致しない場合がある 写真を拡大

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