2024年4月26日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年2月10日

2回目の弾劾?

 弾劾裁判で無罪に投じた共和党のスーザン・コリンズ上院議員(東部メイン州)は、トランプ大統領は「弾劾から学習するだろう」と述べました。今後、トランプ氏が間違った行動をとらないことを期待しました。

 ただそれは、「希望的観測」に過ぎません。というのは、トランプ氏には私益のために外交政府を利用するという行動パターンがあるからです。

 例えば、ロシア疑惑ではヒラリー・クリントン元国務長官のメールを探すように、公然とロシアに協力を求めました。ウクライナ疑惑では、バイデン親子の調査を同国に要請しました。加えて、バイデン氏の息子ハンター氏に関する調査を中国に求めました。これらは事実です。

 ペロシ氏率いる下院民主党は、トランプ大統領を再度弾劾に追い込むことができます。米メディアは、トランプ大統領がすでに民主党が2回目の弾劾を仕掛けてくると警戒していると、報じています。

 仮に11月3日の投票日の1カ月前になっても、民主党候補がトランプ大統領との差を縮めることができないと同党指導部が判断した場合、おそらく彼らは戦略を変更して上院選にエネルギーを注ぐでしょう。上院で民主党が共和党から多数派を奪還できれば、弾劾裁判における証人の招致及び関連文書の提出において、主導権を握ることができるからです。

 従って、今回の米大統領選挙では上院選がかなり重要な地位を占めているといえます。

  
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