2024年11月22日(金)

古希バックパッカー海外放浪記

2020年7月12日

コミッション・ボーイには要注意

 インドの観光地でインド人のグループからしばしば一緒に記念写真を撮りたいと頼まれる。若い男性のグループが多い。若いインド男性はお洒落でナルシストが多い。写真をネットにアップするために記念写真を撮るのだ。

 記念写真なら問題ないが、街路を歩いているとやたらと気安く声をかけてくる輩が多い。アジア・中東ではこうして声をかけられることは珍しくないが、他国に比較してインドでは頻度が高くかつ異様にシツコイ。

 最初にコレ?(韓国人)、チノ?(中国人)、ジャパン?と聞いてくるが、絶対に相手にしてはいけない。ましてやジャパンと答えれば金を目当てに執拗に追いかけてくる。なれなれしく「マイ・フレンド」などと握手を求めてきても手を振って断る意思を見せなければいけない。彼らの最終目的は100%お金である。

 「何を探しているのか」(What are you looking for?)、「何が欲しいのか」(What do you want?)と聞いて来る。さらに「何かあなたのために私にできることはないか」(What can I do for you?)などと迫ってくる。

 旅行者が必要なものを聞き出して自分の知っている土産物屋、食堂、宿屋、旅行代理店、個人タクシーなどへ案内して紹介料を稼ぐことが彼らの目的である。いわゆるコミッション・ボーイと呼ばれる連中であるが関わるとトラブルに巻き込まれることがあるので相手にしないことがベストである。

 旅先での“ふれあい”を大事にしたいという素朴な気持ちからコミッション・ボーイと“お友達“になって大金を騙し取られたり、果ては睡眠強盗被害にあったという日本人の若者に何人も会っている。

菜食禁酒で何日我慢できるか

ランチ定食。有難いことに芋マメカレーの他にヨーグルトと獅子唐の素揚げがついてきた

 インドの食事で閉口するのが慢性的動物性たんぱく質不足である。地方の小さな町や村では芋類、豆類がメインのカレー、チャパティーとかナンとか呼ばれるパンを三度三度食することになる。たまに玉葱、シシトウ、ピーマンなどがお飾り程度に混ざっていると嬉しくなるほどだ。

 肉類は田舎の食堂では提供していないことがフツウだ。たまに申し訳程度の鶏肉か山羊肉にお目にかかる程度。ヒンズーでは牛、回教では豚がタブーなのだ。しかし付近のゴミ溜めやどぶ川でエサを漁っている放し飼いの鶏や山羊を見ると食べる気がしない。

 インドは聖地が多いが、聖地では町全体が肉食飲酒を禁じている。1960年代にビートルズが聖地リシュケシのヨガ道場に滞在した時にポールマッカートニーが音を上げて退散したのも頷ける。

 さらに酒飲みには困ったことに頻繁に酒類販売禁止デーがある。そして酒類を全面禁止している禁酒州というのもある。今回の旅では禁酒州のグジャラート州で二週間以上貴重な断酒体験をさせて頂いた。

 しかし不思議なものでベジタリアン的食生活と断酒という修行僧のようなライフスタイルも10日間以上経過すると慣れてしまうものである。さらに安宿で暇を持て余してヨガの真似事などしているとたいそう健康的である。

 この境地を極めると解脱して“インド好き”になるのかもしれない。

(次回に続く)

  
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