2024年6月25日(火)

World Energy Watch

2020年8月18日

市場の力で落ち込む米国の石炭火力発電量

 米国の石炭生産量の9割以上は国内の発電所向けに供給されているが、石炭火力発電所の閉鎖が相次ぎ、石炭需要量は大きく減少している。米国では西部ワイオミング州などに露天掘りの極端にコストが安い石炭があるが、石炭火力発電所が炭鉱の近くにあることは限られ遠くの発電所まで鉄道輸送する必要がある。発電所着価格ではシェール革命により安価に採掘されパイプラインで輸送される天然ガスに勝てなくなってきた。

 石炭の燃焼には前処理と灰処理が必要なため、発熱量当たり天然ガス価格の7割でないと競争力がないとされているが、地域ごとの発電所渡しの石炭と天然ガスの価格は、図‐3の通りであり、炭鉱に近い地域でも石炭は天然ガスに勝てなくなってきている。

 しかも、石炭火力発電所は老朽化が進んでいる。トランプ大統領は大統領選時炭鉱労働者の支援を受けたため、石炭復活政策として環境規制緩和、連邦政府鉱区解放などの支援策を打ち出したが、効果はなく経済性を失った石炭火力は市場から徐々に消えている。シェール革命前2000年代に電力供給の約50%を担っていた石炭火力からの発電シェアは、昨年24%まで減少し、天然ガスが37%、水力以外の再エネが11%、原子力が20%を供給している(図-4)。石炭火力からの発電量減少は経済性によるものだ。


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