2022年8月14日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年7月27日

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 6月23日、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の首脳会合がオンラインで開催された。議長国を務めた中国の意図は、欧米諸国に対抗してBRICS諸国の団結を強めることにあり、習近平は「国際社会は真の多国間主義を実践しなければならない。冷戦思考を捨て去り、一方的な制裁や制裁の乱用に反対しなければならない」と述べ、「志を同じくするパートナーを早期に加入させるべき」と述べた。

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 しかし、ロシアがウクライナ戦争を始めて西側が経済制裁を課しているのであって、それは一方的な制裁ではなく、理由のある制裁であるほか、ロシアが冷戦思考をやめて熱戦を展開しているのであって、習近平の発言は奇妙なものである。孤立するロシアに手を差し伸べたものとも言え、ウクライナ戦争についての中国の立場がロシアを非難せず、ロシアをかばうものであることがここでも歴然としている。

 BRICSの枠組みを元来の経済中心のものから地政学的な役割を果たすものに変えたいとの中国の意図もはっきりしている。

 インド国会議員で元外務担当国務大臣のシャシ・タルールは、Project Syndicateに7月7日付けで掲載された論説‘Are the BRICS Breaking Up?’(BRICSは崩壊しつつあるのか)で、こういう傾向をインドがどう考えているのかを率直に表明し、中露枢軸の形成とその影響力拡大の幇助者になることを拒否している。

 タルールは、「インドは、BRICSを中露の利益を推進する地政的フォーラムにする努力について明らかに不安であり、それをイランのような国に拡大することにも不満であった」、「中国はBRICS拡大計画と加盟申請について、インドを完全に信頼していないように見える」、「インドはBRICSをもっと中国中心のものにすることを意図するBRICSの拡大を歓迎することはない。そのうえ、パキスタンが次に加盟候補になるとの懸念もある」と書いている。

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