2022年8月19日(金)

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2022年8月4日

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冷泉彰彦 (れいぜい・あきひこ)

作家・ジャーナリスト

ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。近著に『「反米」日本の正体』(文春新書)など。メールマガジンJMM、Newsweek日本版公式ブログ連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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マサチューセッツ工科大学(MIT)は、第二次世界大戦中のレーダー開発で躍進した歴史を持つ (BLOOMBERG/GETTYIMAGES)

 米国の国防費において、研究開発の予算は際立っている。2021年の国防費総額は約8000億㌦(国内総生産〈GDP〉の3.5%、約100兆円)であるが、そのうち約12.5%という巨額の予算が、研究開発に投じられている。正確に言えば、R&D(研究と開発)だけでなく、これにT&E(テストと評価)を加えたR&DTEが1つの予算枠となっている。その総額は実に1000億㌦(13.5兆円)に達する。

 一方で、米国の大学における研究開発予算は、およそ年額で800億㌦と言われている。防衛費におけるR&DTEの総額が1000億㌦だとして、その一部は独立系の研究機関や営利企業の研究費に回るわけで、大学に行くのは800億㌦程度である。ということは、大学における研究の総予算において大学の資金調達が800億㌦であるから、これとほぼ同額の軍学共同研究の予算が800億㌦加わり、これに国立衛生研究所(NIH)が用意する医薬系の外部委託研究予算300億㌦が加算されて、さらに営利企業との産学連携が加わるという構図だ。

 大学における基礎研究予算については、これらを合計した総額のスケール(2000億㌦程度、約27兆円)も大きいが、その中ではやはり4割前後を占める軍からの委託研究の存在感は大きい。メディアなどでは、よく「大学の研究予算の半分は軍から来る」という表現がされることがある。多少誇張ではあるが、全く的外れでもない。

MITの研究費出資元でも
国防総省は大きな存在感を誇る

(出所)MIT Briefing Book 2019を基にウェッジ作成 
(注)為替レートは7月1日時点 写真を拡大

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