2024年4月20日(土)

#財政危機と闘います

2022年11月22日

 政府は11月8日、高騰する電気やガス料金、ガソリン、灯油代の家計負担を抑制する「物価高騰・賃上げへの取り組み」、観光業の支援など「円安を生かした地域の『稼ぐ力』の回復・強化」、「人への投資」や構造的な賃上げに向けた改革を促す「新しい資本主義の加速」などを柱とする、一般会計の歳出総額で28兆9222億円となる2022年度第2次補正予算案を閣議決定した。

(sommart/gettyimages)

 財源には税収の上振れ分3兆1240億円なども充てるものの、補正予算額の79%に当たる22兆8520億円は新たに借金となる赤字国債を追加発行する。現在開会中の臨時国会で11月21日に提出され、早期成立を目指すとのことだ。

 今年度当初予算と5月31日に成立した第1次補正に今回の第2次補正を加えた2022年度の歳出総額は当初予算107兆5964億円から31兆6231億円増の139兆2196億円にまで膨張し、20年度、21年度に次ぐ過去3番目の規模となる。

 その裏で国債の新規発行額は36兆9260億円から25兆8216億円増の62兆4789億円に膨らんだ。この結果、政府が財政再建目標の一つとしているプライマリーバランス赤字は13兆462億円から25兆8216億円増の38兆8678億円にまで悪化する。

補正予算で緩む財政規律

 今回の補正予算の策定に際しては、与党の有力者から、21年度の補正予算30兆円を超えるか同等の規模を求める声が相次いだ。報道によれば、事務方からは当初25兆円規模の案が示されていたとのことだが、最終的には与党の主張を丸吞みする形となった。

 日本の予算は以前から当初予算は厳しく査定するものの、年度途中で補正予算が組まれることが慣例となっているので、結局、予算全体で見れば肥大化してしまい、財政規律が緩むと指摘されてきた。

 なぜ、大型の補正予算が組まれるのだろうか。

 それには、乗数効果が関係している。経済に好影響を与えるには、予算規模が前の年よりも大きくなる必要がある。なぜなら、厳しく査定される当初予算を維持した場合、年度途中で補正予算を組まないとすれば、マイナスの乗数効果が働き、国内総生産(GDP)が乗数×予算の減額分だけ縮小してしまうからだ。

 財政規模がマクロ経済に与える影響を中立的にするためには、なるべく政府支出を減額しない方がよいし、減額するにしても、民間の需要がそれを補えるほど力強く順調に回復していることが必須となる。


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